公開日:2020-05-18
「粗食」と「断食」では健康になれない?
はい!その通りです。
ダイエットを始める方で典型的に多い傾向にあるのが、この二つです。
「粗食」と「断食」
ダイエットのために、急に食事を野菜中心にかえる「粗食」
それかなにかを食事を抜く「断食」
非常に多いです。
急に粗食にしたり、断食をしたから痩せるのでしょうか?
一時的には痩せる人は多いですが、その生活を何か月続けますか?
サラダチキンと野菜と・・・毎日同じ食事を摂る人も多くいますよね。
極端な粗食や断食に走ると、栄養不足に陥って様々な傷害を引き起こしてしまうので注意が必要です。
ただ、1日の摂取カロリーが多すぎて、健康上に問題が起こっている人が、摂取カロリー以内に抑えることはいいことです。
自己流のカロリー制限を始めて、栄養が偏る人が多すぎるのが現実。
粗食は必ずしも健康にはよくない
カロリーを抑えるために野菜中心が体にいいと思っている人は多いです。
ビタミンやミネラルや食物繊維が豊富なので一見健康的に見えます。
粗食を続けておくと体にどのようなことが起こるのでしょうか?
人間が生きていくために最低でも1日1800カロリー~2000カロリーのエネルギーが必要です。
エネルギーが食事として補給できないと、体は体内にあるもので補おうとします。
不足したエネルギー分だけ、体に蓄えられた脂肪が燃焼したらいいですが、、、、
そうはいきません。
体には、タンパク質を分解した糖を作り出す「糖新生」という仕組みがあります。
栄養学の世界では「体たんぱく質分解」と呼ばれています。
糖新生で最初に標的にされるのは、「筋肉」です。
生命維持に必要な脳や内臓を働かせるたみに、筋肉を分解してしまいます。
筋肉を動かすためには、カルシウウムなどのミネラルも必要です。
食事からカルシウムが得れないとなると、今度は骨を分解させてしまいます。
粗食を続けると、筋肉量や骨量が低下していく恐れがあります。
ビタミン・ミネラル・食物繊維だけでは栄養不足
健康のためには、5大栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
- タンパク質
- 炭水化物
- 脂質
- ビタミン類
- ミネラル類
タンパク質は、体の細胞のほとんどを構成し、1gあたり4キロカロリーの熱量があります。
炭水化物は、糖質と食物繊維が結びついたもので、活動のための重要なエネルギー源です。
タンパク質と同じ程度のカロリーです。
脂質は、ホルモンや細胞膜、核膜を作り出す役割をしていて、1gあたり9キロカロリーという効率のよいエネルギー源になります。
上記が3大栄養素と言います。
ビタミンやミネラルは、正常に働くための手助けをするもので、それ自体には身体を動かすために使えるエネルギーはありません。
ビタミンとミネラルを摂れば健康にいいような気がしますが、3大栄養素が不足したら、まったく意味がありません。
大豆などの穀物から植物性タンパク質を十分にとり、5大栄養素をバランスよくとって、カロリーも必要なだけ摂取していれば、健康的に生活を送ることが出来ます。
断食するとリバウンドしやすくなる
何日か断食をすると減量に成功することがあります。
ダイエットが出来たと喜ぶ人は多いです。
体重が落ちたのは、脂肪ではありません。
腸内の便などが排出され、食物から摂取していた水分が減った可能性があります。
数日断食すると、体が飢餓状態になって、今度は脂肪を貯めやすい身体になってしまう。
つまり、断食後は、リバウンドしやすい体質になっているので、気を付けないとすぐに体重が戻ってしまいます。
貧血にも注意が必要
ダイエットのやりすぎで痩せている人は、運動しようとするとすぐに息が上がってしまうことがあります。
これは、貧血です。
ヘモグロビンは、鉄を含むタンパク質ですが、鉄が不足するとうまく作られなくなり、貧血を起こします。
妊娠していると、胎児に優先的に鉄分を使われるので、貧血起こしやすくなります。
生理中の出血が多くて貧血になることもあります。
特に無理なダイエットをしている場合は、通常の出血でも貧血になりやすいです。
貧血の人は、無理に運動をしないこと、病院からの診察を受けることをお勧めします。
食事改善やサプリメントをとり、貧血改善出来れば、運動できる身体になります。
バランスのとれた食生活が基本にあることが重要で、そのうえで、運動によって不調を治していきましょう。